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活動報告

市街化調整区域における違法開発問題/印西市(2018年9月)


1 購入者名義で開発許可申請を行う擬装的手法

印西市草深地区は、最寄り駅から徒歩圏内と好立地である一方、畑が広がるなどのどかな風景が残る魅力あふれる地域の一つです。

現地は市街化を抑制する市街化調整区域であるため、生活インフラとしての上・下水道や都市ガスについては、行政の整備計画対象外となっており、井戸や浄化槽等を自己責任で設置しなければならないこととなっています。

さて、こういった市街化調整区域で宅地造成を行う場合、本来は分譲業者が開発対象となる全体の土地について、予め業者名義で開発許可を受けなければなりません。

しかし、個々の宅地について購入者名義で開発許可を申請させるなどして、あたかも正当な形で開発許可を取得しているかのように見せかけ、実は、本来受けるべき一団の土地についての開発許可を受けていないという、擬装的手法での開発を行う業者が後を絶たないのです。

開発許可の実情に詳しい県職員は、具体的案件についての言及は避けるものの、一般論として、事業者によるゴミ置場や通常にない程に長い隣地境界用ブロック塀、分譲用看板などの設置等は、戸建住宅建築を前提とした宅地造成すなわち開発行為とみなされると言及。許可なく着工する違法開発行為が見逃される、印西市の現状に首をかしげる状態だったのです。

また、これら違法業者は現地立看板やネット媒体を使い集客を募っていますが、開発許可を得ないまま宅地売買に関する広告を行うこと自体、宅建業法違反であることに加え、広告内容も景品表示法違反に該当する可能性が大きいところです。ある分譲業者は県からの指導を受け、自社HPからの物件削除や現地看板の撤去を行ったものの、今度は、ネット上の不動産広告サイトを使った広告を始める等、当局とのいたちごっこが続く状況です。

県の指導によって取り外された現地販売用看板

事例 「開発許可なく宅地造成、分譲、広告」

1 物件概要

所在:印西市草深の市街化調整区域

市外業者Aが平成28年8月に地元地権者から取得。

2 開発行為の状況

業者Aは、平成29年2月頃より一団の土地を整地の上、①一部土砂の搬入、②コンクリートブロック塀の築造、③ゴミ置場の築造、④分譲用立看板の設置を無許可で行う。

3 違反内容

業者Aは、開発許可を得ていなかったにもかかわらず、平成29年2月には上記開発行為を事実上開始。業者側は、土地購入者決定後に個別に購入者名義で、開発許可申請を行わせることを前提としていたようだったが、もちろん事前許可のない開発行為で都市計画法違反の疑い。また、開発許可前に宅地売買に関する広告を行った宅建業法等違反、土砂搬入にあたり隣接地権者からの同意を得なかった印西市残土条例違反にもあたる

2 求められる開発許可に関わる市の運用改善

(左端)コンクリートブロック塀の築造(右端)開発許可前の違法な現地立看板

こうした擬装的開発行為を行う開発業者も問題ですが、違法行為を見逃し続けてきた印西市当局にも重い責任があります。

宅地開発は、土砂搬入→コンクリートブロック塀築造→ゴミ置場の築造→販売用立看板設置といった形で進むものですが、市側は「土砂搬入やコンクリートブロックだけでは開発行為と断定できない」「ゴミ置場築造だと(開発行為が)色濃くなる」等とし、業者による宅地造成行為について、開発許可を必要とする開発行為であるとの認定に極めて弱腰だったのです。

平成29年夏以来、岩井が市当局に求めてきたのは、業者への指導強化など開発許可に関わる市の運用改善。業者が開発許可なしに土地の分合筆を行った場合、市は少なくとも土地購入者が開発許可を申請した時点で、義務付けされている売買契約書等の提出書類により、業者による宅地開発行為を認知することができます。

そこで、市は当該違法業者を呼び出し強く指導することに加え、度重なる指導にも関わらず2画地目、3画地目と宅地開発を続ける悪質業者には営業停止等の厳しい処分が行えるよう、証拠の積上げと所管する県担当課との連携を徹底すべきなのです。


3 国、県に働きかけるも市対応せず

平成30年3月以降、県および国交省担当課へ働きかけを行った結果、4月24日、問題の所在を確認した県担当課が印西市当局とともに国交省を訪問することに。

国担当課が県、市に対し「不動産業者が業として行うような宅地分譲において、『単なる分合筆』として開発行為に該当しないとする(印西市の)解釈は妥当性を欠く」との見解を通知。

県も「(市の運用は)許可権者として都市計画法29条に合致していない」と明言した上で、市に開発許可行政に関わる運用を改善するよう直接に助言しています。

そのような中、平成30年5月1日に行われた(岩井と)市との協議では、市側が土地の分合筆行為についての従来見解を修正し、問題の所在を確認。開発許可行政の運用変更について検討を進めるとしたため、事態の改善が期待されていたものの、6月12日の協議で一転、運用は変更しないとの回答があったのです。

関係者によれば、現場担当者らが運用変更の必要を上申したものの、市幹部が「今まで通りの運用とする」と判断したとのことで、これ以上はどうしようもないと言います。

この問題については平成30年7月の県議会・県土整備常任委員会にて取り上げ、県は印西市当局の問題を認めた上で、業者への指導を徹底するよう強く働きかけていくと明言。

県担当課も異常な事態にあると認識しており、引き続き県担当課とともに印西市に運用改善を求めてまいります。


岩井やすのり議員事務所
〒270-1515 千葉県印旛郡栄町安食台2-26-23 大山ビル202
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