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視察等レポート

旧校舎利活用の政策提言(岩手県奥州市)(2013.8)

  • 地区センター
  • 旧校舎

平成25年8月、岩手県奥州市を訪れ、平成29年度に学校統廃合を迎える胆沢地区の3中学校について、旧校舎の利活用に関する政策提言を行いました。


1.奥州市の概要

岩手県奥州市は、2006年2月に水沢市、江刺市、前沢町、胆沢町、衣川村の2市2町1村が合併してできた自治体です。岩手県の内陸南部に位置し、面積は993.35平方キロメートルと、県内で3番目、全国でも30番目という広さを誇ります。人口は約12万5000人(2010年国勢調査)ですが、2005年の前回調査より4.17%減少しています。産業では、2012年度の食味ランキングにおいて18回目の「特A」にランクされる銘柄米や肉質日本一とされる肉用牛、果物類など、岩手県屈指の農業地帯です。

※参考までに栄町の面積は約32平方キロメートル、酒々井町の面積が約19平方キロメートルですから、奥州市の面積は栄町の約31倍、酒々井町の約52倍にもなります。


2.奥州市の現状と課題

現状【1】:人口減少
生産年齢人口が県外等へ流出することに伴う、加速度的な人口減少・高齢化率の大幅な増加。
現状【2】:財政の再建
競馬事業・水沢病院の経営再建・土地開発公社における過大な債務。
現状【3】:交付税の減額
2015年度に合併特例債が終了。2016年から地方交付税が段階的に減少することによる財政規模の縮小。
※競馬事業、病院事業など市町村合併以前から継続してきた事業が過大であり、奥州市の財政を圧迫しているといえます。また、奥州市における地方交付税は約199億円と歳入総額の約36%(平成25年度予算)にも上ることから、交付税額の減少はさらに財政を圧迫することが懸念されます。(平成25年度予算における歳入総額に占める地方交付税の割合は、栄町で約24%、酒々井町で約18.6%です。

3.旧校舎利活用の政策提言

3-1 政策提言に至る背景
  1. 奥州市では、市民税収の0.4%に相当する額をNPO・市民団体に交付する「04(オウシュウ)支援事業」を実施するなど、市民協働によるまちづくりを積極的に推進している。
  2. 奥州市内には、平成24年度に公民館施設が改められてできた「地区センター」が設けられている。それぞれの地区センターは、町内会や学校PTA等で組織される「地区振興会」によって運営されている。
  3. 地区センターは市内に30箇所あり、体育館や調理室、和室大広間、ゲートボール場などが設置され、地域住民の交流と地区内の市民協働活動の拠店として活用されている。
  4. 奥州市内で市民活動を行うNPO団体は34団体、任意市民団体は約200団体に及び、その90%以上の団体は自宅を活動拠点としているのが実態である。市内に唯一ある市民活動支援センターに、貸出し用事務所ブースが7つあるだけである。
3-2 政策提言に至る考え方
奥州市は、NPO・市民団体に交付する「04(オウシュウ)支援事業」を実施するなど、市民協働によるまちづくりを積極的に推進する自治体である。地区振興会による「地区ごとの」市民協働活動は、市内に30ある地区センターを拠点として盛んである一方、NPO・市民団体による「地区を越えた」市民協働活動は、その大半が自宅を活動拠点としているのが実態であり、その拠点づくりに課題がある。
市民協働活動は、地区ごとに行われる「タテ割り」の協働活動とともに、地区(地域)を越えた「ヨコぐし」となる協働活動もなくてはならないものだ。人口減少、少子高齢化、財政再建といった行政課題を抱える奥州市が住民との協働をより深く、より広く進めるために、NPO・市民団体へのより厚い支援が必要である。
3-3 政策提言
奥州市胆沢地区にある小山中学校の旧校舎利用について、NPO・市民活動拠点となる「市民活動支援センター」を設置するべきである。
市民活動支援センターは、旧水沢町の「メープル」地下1Fに設置されているが、990平方キロメートルを超える広域自治体である奥州市に1箇所しかないこと、貸出し用の事務所ブースが7つしかないことは、立地、施設の広さ、機能性における課題を有している。
これまでの行政サービスの質と量を維持することが困難になる中で、官民協働、市民協働は不可欠であり、市民活動団体の活動拠点づくりを進めることで、その推進を図ることができる。
校舎の具体的な活用としては、市民活動団体の相談に応える「相談コーナー」、団体間のコミュニケーションと情報交換を促す「交流コーナー」、コピー機やパソコンを備えた「作業室」を1階空き教室に設置する他、2・3階空き教室を市民活動団体貸出し用の事務所ブースとするものである。
施設は引き続き市が所有するが、既存の市民活動支援センターと同様に中間NPO等の団体に委託管理するものとする。既存施設をそのまま利用するため、イニシャルコストはデスク、カウンター等の購入費用として80万円程度、ランニングコストは市民活動支援センターの委託実績値より、年間約500万円を見込む。市は、30ある地区センターにそれぞれ年間800万円~1000万円の運営費を計上していることから、決して非現実的なものではないと考える。
結びに、奥州市は、水沢市、江刺市、前沢町、胆沢町、衣川村の旧5自治体が合併してできた自治体だが、胆沢地区だけでなく、各地区に一つの市民活動支援センターを設置することも併せて提言したい。

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